「月が綺麗ですね」
英語 I love you. を「月が綺麗ですね」と夏目漱石が翻訳したのは有名だが、今宵は本当に青白い光を放つ見事な満月で、誰かとつながってる気がして少し切ない気持ちになったりして、特に恋してる相手などいないのに不思議。
でも、きっとどこかにいるのだろうな。わたしの恋人。まだ出逢わぬその人もきっとこの月を見ていて、いまどこかでわたしを想ってくれているのかななんてそんなロマンチックな気持ちに浸っていた。「どこかで」は想像力を膨らませると現世でなくて前世で出逢ったあの人だったり、異次元の世界にいるあの方だったりするのかな。
オカルトチックだけれど、月を見ていると、時間も空間も超えて「どこか」とつながっているような気持ちにさせる。特に小正月にあたるこの時期の青白い光で辺り一面を照らす「月」にはそんなパワーがあるのだと感じる。だって、こんなに切ない、「誰か」の想いを汲み取れるのだから。
「月」が好き。こんな「月」を「綺麗ですね」と語りかけることを「愛」だといった漱石に共感する。
ああ、言いたいな。伝わってくるな。
「月が綺麗ですね…」